外見上、白翔の姉を演じていたので、病院を出るまで込み入った話は一切しなかった。その代わり、深緋は帰宅の連絡を兼ねて祖母に電話をし、白翔は予定していた合宿をキャンセルする作業に追われた。
病院で一日の入院と診察を受けたので、診療明細書をもらってこいとの指示があったらしい。白翔は充電の少なくなったスマホを耳に当てて、多少の嘘をおり混ぜつつ、引率の教師に平謝りで事情を説明していた。
院のエントランスから一歩外へ出ると、燦々と降り注ぐ真夏の太陽が二人を出迎えた。デイパックから日傘を取り出し、迷わず広げる。
遮光率の高い傘のおかげで、幾らか暑さがマシにはなるものの、歩き出すと蒸し暑い地熱に包まれ、気怠い吐息がもれた。灼けたアスファルトからの照り返しと日光で、外はサウナ状態だ。病院の中が、いかに快適な温度で保たれていたのかを痛感する。
「荷物、持つよ」
「……え?」
急に肩ベルトを外され、体が軽くなる。
「いいよ、白翔病み上がりでしょ?」
「はぁ? んなやわじゃねーし。つーか、結構な荷物じゃん。おまえ体力無いくせにこれであの山道歩いたの? バカなの?」
「バカとはなによ、失礼な。山歩きなんだから色々と準備が必要でしょ?」
「はいはい、まぁせいぜい熱中症にならないように、身軽で歩いてろよ」
病院で一日の入院と診察を受けたので、診療明細書をもらってこいとの指示があったらしい。白翔は充電の少なくなったスマホを耳に当てて、多少の嘘をおり混ぜつつ、引率の教師に平謝りで事情を説明していた。
院のエントランスから一歩外へ出ると、燦々と降り注ぐ真夏の太陽が二人を出迎えた。デイパックから日傘を取り出し、迷わず広げる。
遮光率の高い傘のおかげで、幾らか暑さがマシにはなるものの、歩き出すと蒸し暑い地熱に包まれ、気怠い吐息がもれた。灼けたアスファルトからの照り返しと日光で、外はサウナ状態だ。病院の中が、いかに快適な温度で保たれていたのかを痛感する。
「荷物、持つよ」
「……え?」
急に肩ベルトを外され、体が軽くなる。
「いいよ、白翔病み上がりでしょ?」
「はぁ? んなやわじゃねーし。つーか、結構な荷物じゃん。おまえ体力無いくせにこれであの山道歩いたの? バカなの?」
「バカとはなによ、失礼な。山歩きなんだから色々と準備が必要でしょ?」
「はいはい、まぁせいぜい熱中症にならないように、身軽で歩いてろよ」



