「深緋は……吸血鬼、なのか?」
その問いにハッとして顔を上げる。白翔の目はジッとこちらを見ていて、不安なんて微塵も感じられなかった。問いに肯定されても覚悟はできている、そう言っているようだった。
ゆるゆると口角を上げて、深緋は微笑んだ。
「そうだよ」
答えて間もなく、ドクンと心臓の音が体中に響き渡った。自分の姿が変わる気配を察した。グッと身を引き締めて俯く。
バストが張って、締め付ける下着に窮屈さを覚えた。腰のラインが今より細くなり、脚も引き締まる。幼さを感じさせる丸い頬がしゅっと細くなり、顎の先が尖った。
再び顔を上げて白翔を見つめると、彼は大きく目を見開き、アッと口を開けていた。
幾らか上がった手の人差し指で、深緋を差し、喉を震わせている。
「白翔が言いたいことは分かる。ちょっと大人っぽくなったけど……。私は深緋だよ?」
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