吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

「わかりました。ありがとうございます」

 話を聞き終えて、記したメモに目を落とす。月桂樹の葉を三枚と、人間と同族とドラキュラの血がそれぞれ50CCずつ。そして対価となる金額のお金。それらを持って一ヶ月に一度の、満月の夜に儀式を受けに来る。

 程なくして、外が騒がしくなった。ヘリが到着したという知らせが入り、部屋に担架が運び込まれた。

 *

 病院に着いてから迅速な処置を受け、白翔の顔色は幾らか良くなった。

 キャスター付きのベッドが個室へと運ばれ、腕には点滴が繋がれ、そばで心電図計も鳴っている。

 結局。意識はなかなか戻らなかったので、深緋は看護師にお願いをして、病室で一晩を明かすことにした。入れ替わり立ち替わり入ってくる看護師には、白翔の妹だと言ってある。

 翌朝の吸血時間を考慮して、あらかじめ持参した水筒から血を飲んでおこうと思ったのだが。気づいたときにはデイパックから水筒だけが消えていた。

 白翔がヘリで運ばれた、あの混乱に乗じて、谷のだれかが深緋の私物を漁ったとしか思えなかった。血を飲むのは諦めるしかなく、ただ白翔の無事だけを祈った。

 ベッドのすぐ横に丸椅子を置き、彼の意識が戻るのを今か今かと待っていたが。気付いたときには、布団に突っ伏して眠っていた。