唇に人差し指を当てたまま、白翔に横目を向ける。柵が上がりきった後、深緋はいつもより厳しく、低めの声で言った。
「本来なら帰って貰うつもりだったけど。男である白翔を見られた以上、一人にはできない」
「うん? それってどういう意味だ?」
「一緒に入るしか無いってこと」
「え。マジで?」
期待に目を輝かせる白翔を見て嘆息し、「うん」と頷いた。
「中に入ってからは単独行動は禁止。絶対に私から離れないで」
「……うん。勿論、そのつもりだけど」
「どんな女の人に迫られても、良い匂いがしても、絶対に近付いちゃだめだよ? わかった??」
「……あ、ああ。分かった」
苦笑いをする白翔の手を引いて、深緋は門の中へ足を踏み入れた。
門番女性とはまた別の女性がこちらへと歩み寄り、にこりと爽やかな笑みを浮かべた。
「私は案内役を担う者です。このまま村本館へと向かいます。付いて来て下さい」
「はい」
上品さを漂わせる案内人は、見た目だけで言えば、三十代半ばの淑女だ。前日辺りに吸血を済ませているのか、白翔を見ても飢えを感じさせない。
女性に付いて歩き、谷の様子を一望する。ところどころ草が生い茂っているものの、ポツポツと古民家らしき建物が見え、昔ながらの村を彷彿とさせる。
「本来なら帰って貰うつもりだったけど。男である白翔を見られた以上、一人にはできない」
「うん? それってどういう意味だ?」
「一緒に入るしか無いってこと」
「え。マジで?」
期待に目を輝かせる白翔を見て嘆息し、「うん」と頷いた。
「中に入ってからは単独行動は禁止。絶対に私から離れないで」
「……うん。勿論、そのつもりだけど」
「どんな女の人に迫られても、良い匂いがしても、絶対に近付いちゃだめだよ? わかった??」
「……あ、ああ。分かった」
苦笑いをする白翔の手を引いて、深緋は門の中へ足を踏み入れた。
門番女性とはまた別の女性がこちらへと歩み寄り、にこりと爽やかな笑みを浮かべた。
「私は案内役を担う者です。このまま村本館へと向かいます。付いて来て下さい」
「はい」
上品さを漂わせる案内人は、見た目だけで言えば、三十代半ばの淑女だ。前日辺りに吸血を済ませているのか、白翔を見ても飢えを感じさせない。
女性に付いて歩き、谷の様子を一望する。ところどころ草が生い茂っているものの、ポツポツと古民家らしき建物が見え、昔ながらの村を彷彿とさせる。



