吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 凛々しい眉は綺麗な弧を描いているし、ふわりとした茶髪は寝癖などなく、いつもお洒落に整えられている。

 深緋が通う高校の女子生徒から人気もあるし、一見してイケメンというカテゴリーにも当てはまる。

 出会うのがあと数年先だったら、迷わず吸血していただろう。白翔の首筋に目を据えながら、密かに歯噛みする。

「な、なんだよ?」

 白翔が怪訝に眉を寄せ、狼狽から頭を触った。

「どうでもいいけど。学校では話しかけないでね」

 抑揚なく告げると、意図的に白翔から距離を取り、昇降口へ向かった。

 *


 女吸血鬼にとって、男はエネルギー源以外の何者でもない。

「おまえさぁ、前にも忠告したよな? 王子(・・)に対して慣れ慣れしいんだよ?」

 ましてや、今対面している女子生徒たちが言った大路(・・) 白翔は、深緋から見ればその対象外だ。

 それなのに、異性の中でとりわけ白翔としゃべる深緋は、自然と彼女たちの反感を買い、こうして体育館裏に連れて来られている。まったく理不尽極まりない。今朝の登校も誰かしらに見られていたのだろう。

 無言で冷めた目を地面に据えた。もはやため息しか出ない。

「スカしてんじゃねーよ、朝比奈! ちょっとモテるからって、いい気になってんじゃねーよ!」

 四人組のひとり、尾之上(おのうえ) 真理(まり)に肩を思い切り突き飛ばされた。後ろの壁で強かに背中を打ち付ける。