吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

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 翌朝。部屋のデジタル時計が六時になったのを見てから、スニーカーに足を突っ込んだ。

 結局、昨夜(ゆうべ)は午後八時ごろまで白翔と一緒だった。

 祖母もスグルくんも彼の来訪を歓迎してくれて、テレビを見ながら網焼きプレートで焼き肉を楽しんだ。食べ盛りの高校生男子が一人増えることを考慮し、いつもなら考えられない量の肉と、サラダやキムチなどの副菜をスグルくんが準備してくれた。

 別れる前にリビングで吸血したとき、祖母に谷へ行くことも報告した。

 昨夜の吸血時間を考えると、今日は午後八時までに白翔の血を飲めばいい。一回分の血液はちゃんと水筒に用意している。

 夜には白翔と会う約束をしているので、正直寝不足だけど。用事を早く済ませるに越したことはない。上手く電車を乗り継げば朝のうちに向こうの駅へ着くだろう。

 大きめのデイパックを背負い、深緋は玄関扉を開けた。

 早朝の空気が心地いい。手を広げて深呼吸するといっそう気分が良くなった。歩きに欠かせない日傘を差して、門扉を開けた。

 歩道に出た所で、不意に背後からザ、ザ、と靴音が聞こえた。

 なんだろう、朝のジョギングの人とか? 何気なく振り返り、目を丸くした。

「あ、やっぱり深緋だ。どした? こんな早くに」
「は、白翔こそ」
「俺は見ての通りジョギングだけど?」
「へ、へぇ〜」

 スポーツメーカーのTシャツと短パンの上下姿に、お洒落なキャップ。確かにジョギングをする格好だけど。