吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 尾之上はずっと告わないままでいるんだろうと思っていたから、その意外性に驚いた。

「なんて返事したの?」
「そりゃあ断ったよ、彼女一筋だから諦めて欲しいって」
「……そっか」
「うん。それに俺……。深緋があいつらから嫌がらせされてんの知ってたから」

 え……? また驚いて、深緋は足を止めた。

「知ってたんだ?」

 意外だなと思って、白翔を見つめていると、彼の眉が申し訳なさそうに下がった。

「前にも言ったけど。俺、深緋のこと見てるから」

 そう言ってすぐ、「あのさ」と彼が語気を強めた。

「前に深緋。体育館裏であいつらに責められてること、あったよな?」
「……あ、うん。多分」

 前というのが、いつを指すのかは分からないが、“呼び出し”はけっこうあったはずだ。

「あれ見て、カッとなって。俺、止めに入ろうと思ったんだけど。その前に岡本が現れて、出る幕なくして」
「……うん」
「今だから言えるけど。あん時の深緋、妙に岡本のことを誘惑してるふうに見えて……正直すげぇ嫌だったし、嫉妬した」

 白翔の言葉を聞きながら、眉をひそめた。それがいつの記憶かを察知し、深緋はため息をもらした。

 そうだったんだ。“あれ”を白翔に見られていたのか。

 岡本大貴から吸血しようとして、校内放送の邪魔が入った日のことだ。

「岡本のこと、好きだったのか?」
「ううん、全く」