吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)

 深緋の空いた方の手が白翔の手に触れた。指を絡め、ひと回り大きな手がぴたりと重なる。白翔が嬉しそうに頬を緩めた。「貸して」と言われ、彼の手が日傘を支える。

「今日は見に来てくれてありがとう。深緋がいたから俄然、テンション上がったし」
「ふふっ、大活躍だったよね」
「うん、シュート決まってホッとした。今日も髪型と服装可愛いな? それ、三つ編み?」
「あ、ううん。編み込みだよ。こうやってサイドで纏めたら涼しいし、崩れないの」
「へぇ。なんか女子って感じだな」
「でしょ?」

 見た目で言えば、確かに女子だ。

 不意にどこからか強い視線を感じた。躊躇なくそちらに目を向ける。体育館の出入口付近に尾之上真理が立っていた。

 深緋と目が合うなり、キッと睨みつけてくる。僅かに涙が滲んでいるように見えて、ふと真顔になる。

「深緋? どした?」
「え。あ、ゴメン。なんでも」

 慌てて白翔に視線を戻すと、彼はさっきまで深緋が見ていた出入口付近を振り返っていた。

「……ああ、あの子か」

 白翔の呟きに倣ってまた視線を戻すと、尾之上は気まずそうに体育館の中へ入っていった。

「尾之上、さんのこと。知ってるの?」
「んー」

 空返事で白翔は前を向く。その横顔が若干不機嫌に見える。

「さっき……。告白された」
「あっ、そうなんだ?」