「えっ、何それ何それ??」
「知らない? 朝比奈さんが大路くんの指舐めてたって話」
「うそっ! てか。やっぱ付き合ってんのかな、ショック〜っ!」
すぐそばに三人の女子がいて、ガールズトークを繰り広げている。おそらくは隣りのクラスの子だ。もはやため息しか出ない。
何となく居た堪れなくなって、深緋は二階部分から移動した。階段を降りてから一階の隅っこに立ち、引き続き試合を観戦する。
二学期が始まったら、ああやって噂されるのが日常茶飯事になるのだろう。噂話に付き物の妙な尾ひれが足されたら、面倒くさいことこの上ない。想像を巡らせ、やはり嘆息がもれた。
程なくして、ピーー、と笛の音が響き渡った。試合終了の合図だ。
練習試合はそれなりに白熱し、相手チームに六点の差をつけて白翔たちが勝利していた。
チームメイトと無邪気に笑い合う白翔を見つめ、自然と口角が上がった。
*
シュワシュワと響く蝉の合唱に「朝比奈」と名前を呼ぶ声が混ざる。
体育館の出入口から近づいて来る男性を見て、あ、と口を開けた。
これまでに散々と日々の吸血でお世話になった岡本大貴だ。確か彼はバスケ部の顧問だったはず。
「お疲れ様です」
昇降口付近の日陰部分に立ちながら、なおかつ日傘を差していたので、深緋は傘の露先をやや上げて会釈した。
「知らない? 朝比奈さんが大路くんの指舐めてたって話」
「うそっ! てか。やっぱ付き合ってんのかな、ショック〜っ!」
すぐそばに三人の女子がいて、ガールズトークを繰り広げている。おそらくは隣りのクラスの子だ。もはやため息しか出ない。
何となく居た堪れなくなって、深緋は二階部分から移動した。階段を降りてから一階の隅っこに立ち、引き続き試合を観戦する。
二学期が始まったら、ああやって噂されるのが日常茶飯事になるのだろう。噂話に付き物の妙な尾ひれが足されたら、面倒くさいことこの上ない。想像を巡らせ、やはり嘆息がもれた。
程なくして、ピーー、と笛の音が響き渡った。試合終了の合図だ。
練習試合はそれなりに白熱し、相手チームに六点の差をつけて白翔たちが勝利していた。
チームメイトと無邪気に笑い合う白翔を見つめ、自然と口角が上がった。
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シュワシュワと響く蝉の合唱に「朝比奈」と名前を呼ぶ声が混ざる。
体育館の出入口から近づいて来る男性を見て、あ、と口を開けた。
これまでに散々と日々の吸血でお世話になった岡本大貴だ。確か彼はバスケ部の顧問だったはず。
「お疲れ様です」
昇降口付近の日陰部分に立ちながら、なおかつ日傘を差していたので、深緋は傘の露先をやや上げて会釈した。



