詰問めいた口調に気づいたのか、自称魔王は一瞬、口を噤んだ。しかし、ひとつ息をついて花音に目を合わせた。
「魔法で麓の町を守ったことはあるが、悪事は働いていない。僕は平和が好きだ。妖精との暮らしが気に入っている。それを邪魔する者には多少の仕置きをするぐらいだ」
「……退治されようとしている原因はそれでしょ」
つい渋面になったら、やましいことはないとばかりに言い訳めいた言葉が返ってきた。
「王宮の使者は皆、頭が固い。僕には敵対する意思がない、と何度説明しても信じてくれない。最初は魔法の練習台にちょうどよかったが、今ではそれもわずらわしい。だから、勇者の出番というわけだ」
「……え、ここでわたしの出番なの?」
「勇者は民を救う。善良な魔法使いも救ってくれ。君しか頼める人がいないんだ」
ひたむきな眼差しが注がれ、花音はうっと言葉に詰まる。
ここはどう考えても異世界だ。魔王や妖精が存在することからも、それは明らか。そして、異世界召喚された者といえば、その世界の救世主となるのがセオリー。
勇者として呼ばれたなら、困っている誰かを救わなければいけない。
「魔法で麓の町を守ったことはあるが、悪事は働いていない。僕は平和が好きだ。妖精との暮らしが気に入っている。それを邪魔する者には多少の仕置きをするぐらいだ」
「……退治されようとしている原因はそれでしょ」
つい渋面になったら、やましいことはないとばかりに言い訳めいた言葉が返ってきた。
「王宮の使者は皆、頭が固い。僕には敵対する意思がない、と何度説明しても信じてくれない。最初は魔法の練習台にちょうどよかったが、今ではそれもわずらわしい。だから、勇者の出番というわけだ」
「……え、ここでわたしの出番なの?」
「勇者は民を救う。善良な魔法使いも救ってくれ。君しか頼める人がいないんだ」
ひたむきな眼差しが注がれ、花音はうっと言葉に詰まる。
ここはどう考えても異世界だ。魔王や妖精が存在することからも、それは明らか。そして、異世界召喚された者といえば、その世界の救世主となるのがセオリー。
勇者として呼ばれたなら、困っている誰かを救わなければいけない。



