衝撃に備えて頭を手で覆っていた花音は、周囲が明るいことに気がついて、おそるおそる目を開けた。
(あれ……? わたし、寝ぼけてる?)
目の前には色男。さらさらの金茶色の髪に碧眼。彫りの深い顔立ちは男なのに美人と思わせる迫力があり、耳元から編み込まれた髪の毛が肩から垂れている。
眉目秀麗な青年だが、藍色のローブを羽織っているのは何のコスプレなのだろう。杖があれば、魔道士や魔法使いが似合いそうではあるが。
(どうやら地獄でも天国でもないようだけど……ここはどこなのかしら)
視線を下げると、白いシーツが目に入る。試しに指を滑らすと、大変なめらかな手触りだった。頭上にはドラマや漫画の世界でしか見たことのない天蓋がついていた。紐でくくられているが、カーテンまである。
(どう考えても、ここ、ベッドよね……なんでこんなところに?)
瞬きを繰り返していると、目の前の男が口を開いた。
「勇者様」
「……はい?」
「お願いがある。僕を守ってくれないだろうか」
花音は首を傾げた。聞き間違いだろうか。いや、そうに違いない。
現実逃避を始めていると、男は言葉を続ける。
(あれ……? わたし、寝ぼけてる?)
目の前には色男。さらさらの金茶色の髪に碧眼。彫りの深い顔立ちは男なのに美人と思わせる迫力があり、耳元から編み込まれた髪の毛が肩から垂れている。
眉目秀麗な青年だが、藍色のローブを羽織っているのは何のコスプレなのだろう。杖があれば、魔道士や魔法使いが似合いそうではあるが。
(どうやら地獄でも天国でもないようだけど……ここはどこなのかしら)
視線を下げると、白いシーツが目に入る。試しに指を滑らすと、大変なめらかな手触りだった。頭上にはドラマや漫画の世界でしか見たことのない天蓋がついていた。紐でくくられているが、カーテンまである。
(どう考えても、ここ、ベッドよね……なんでこんなところに?)
瞬きを繰り返していると、目の前の男が口を開いた。
「勇者様」
「……はい?」
「お願いがある。僕を守ってくれないだろうか」
花音は首を傾げた。聞き間違いだろうか。いや、そうに違いない。
現実逃避を始めていると、男は言葉を続ける。



