それを裏付けるように、遠くからランニングをするバレー部の声が聞こえる。懐かしい放課後の光景だ。体育館の横の講堂は真新しい。創立百周年で建て替えたばかりなのだ。
どこを見ても見知った景色。夢でも幻でもない、紛うことなき現実だ。
元の世界に戻ったことを確信し、花音は胸を撫で下ろした。
その様子を見ていたヴァルラントは、納得したように顎に指を添える。
「なるほど。僕は君の世界に招かれたのか。おそらく愛し子の力を使ったのだろう。君には驚かされたが、助かった。礼を言う。君は命の恩人だ」
「……ご、ごめんなさい。あなたまで連れてくるつもりじゃなかったんだけど」
「あの場に残されるほうが困る。君の判断は間違っていない。──やはり、カノンは僕の勇者だったな」
万感の思いが込められたような響きに、口の端が引きつる。
とんでもないことを言われる予感しかしない。耳を塞ぐべきか否か。それとも相手の口を塞ぐべきか。真剣に悩んでいると、ヴァルラントが訳知り顔で頷く。
どこを見ても見知った景色。夢でも幻でもない、紛うことなき現実だ。
元の世界に戻ったことを確信し、花音は胸を撫で下ろした。
その様子を見ていたヴァルラントは、納得したように顎に指を添える。
「なるほど。僕は君の世界に招かれたのか。おそらく愛し子の力を使ったのだろう。君には驚かされたが、助かった。礼を言う。君は命の恩人だ」
「……ご、ごめんなさい。あなたまで連れてくるつもりじゃなかったんだけど」
「あの場に残されるほうが困る。君の判断は間違っていない。──やはり、カノンは僕の勇者だったな」
万感の思いが込められたような響きに、口の端が引きつる。
とんでもないことを言われる予感しかしない。耳を塞ぐべきか否か。それとも相手の口を塞ぐべきか。真剣に悩んでいると、ヴァルラントが訳知り顔で頷く。



