異世界召喚された先は魔王様の寝室でした

 人数も士気も、どう考えても、こちらが圧倒的に不利だ。

「……ど、どうするのよ。あなた魔王なんでしょ。退治されちゃうんじゃないの? 丁重にお帰りいただく魔法はないの?」
「できなくはないが、加減が難しい。下手をすれば、この城ごと竜巻で木っ端微塵になる。それでも構わないなら、やるだけやってみよう」
「はぁあ!? 何その迷惑な破壊力は! そんなことになったら、わたしたちも無事じゃ済まないでしょ。却下よ却下! ポジティブなのはいいけど、考えなしに行動するのはやめてよね。戦う以外の方法はないの?」
「ない」

 魔王と呼ばれた男は、哀愁を漂わせるどころか、開き直ったように清々しい顔で即答した。
 花音は無言で笑みを深める。こちとら聖母でもなければ、慈愛に満ちあふれた女神でもない。ごく普通の女子高生だ。
 声が刺々しくなるのは、もはや自然の摂理である。