廊下のサイドテーブルにあった花瓶がぐらりと揺れる。ヴァルラントが指を動かすと、花瓶は空中にふわりと浮いたまま静止する。それでも揺れは収まらず、「あわわ」と体のバランスを崩しかけた花音は、大きな腕に肩をつかまれて引き寄せられた。
そのままヴァルラントの腕の中で、花音は身をすくませる。
「な、なにこの揺れ!?」
「攻撃を受けているようだ。連中はどうやら待ちきれなかったらしい」
揺れが収まると、密着していた体がそっと離れる。
かと思いきや、今度は流れるような動作で右手を取られる。花音が疑問に思う間もなく、視界が白く染まり、景色が変わった。
「ここ、どこ……?」
「城の中庭の上空だ。ほら、あれが王国軍。大砲を使って攻撃しているようだな」
まるで「今日の焼きそばパンもうすぐ売り切れそうだったよ」くらいな気楽さで言われ、血の気が引いた。
武器を構え、鎧をまとった兵士たちがずらりと並ぶ。想像の二倍、いや三倍はいる。幸か不幸か、相手に魔法使いの姿は見えないけれど、こちらは防戦一方だ。簡易結界はあるようだが、迎撃できる人間はヴァルラント以外にいないのだろう。
そのままヴァルラントの腕の中で、花音は身をすくませる。
「な、なにこの揺れ!?」
「攻撃を受けているようだ。連中はどうやら待ちきれなかったらしい」
揺れが収まると、密着していた体がそっと離れる。
かと思いきや、今度は流れるような動作で右手を取られる。花音が疑問に思う間もなく、視界が白く染まり、景色が変わった。
「ここ、どこ……?」
「城の中庭の上空だ。ほら、あれが王国軍。大砲を使って攻撃しているようだな」
まるで「今日の焼きそばパンもうすぐ売り切れそうだったよ」くらいな気楽さで言われ、血の気が引いた。
武器を構え、鎧をまとった兵士たちがずらりと並ぶ。想像の二倍、いや三倍はいる。幸か不幸か、相手に魔法使いの姿は見えないけれど、こちらは防戦一方だ。簡易結界はあるようだが、迎撃できる人間はヴァルラント以外にいないのだろう。



