異世界召喚された先は魔王様の寝室でした

「まさかとは思うけど、わたしが役立たずだったら追い出すつもりだった、なんて言わないわよね? こっちの都合もお構いなしに召喚した挙げ句、期待外れなら野垂れ死んでも自業自得って?」

 危機的状況だからではなく、なんとなく召喚した男だ。きっと、召喚後についても深く考えていなかったに違いない。
 胡乱な目つきを向けると、焦ったように早口で弁解してくる。

「ま、待て。いくら僕でも、そこまで鬼畜ではないつもりだ。……衣食住は、僕が保証する。呼び出した者の責任は取ろう」
「でも、あなたが用があるのは勇者様だったんでしょ? わたしはただの女子高生よ。あいにくだけど、期待には応えられないわ」

 淡々と言い募ると、ヴァルラントは気圧されたようにたじろいだ。視線を横にそらしながら、何かを考える素振りを見せた後、ごほん、と咳払いをした。

「それなら……」

 だが彼が言い終える前に、大地が震えた。