「てめ……っ! オレが好きなの知っててそゆこと言うかぁっ?!」
「何にでもオリーブオイル使えばいいと思ってる料理なんざ、何処がいい? やっぱ選りすぐりの素材を使って作った和食が一番」
「和食だって何にでも醤油じゃねェかっ!」
「わかってねえなあ。醤油は味を引き立てるもので、オリーブオイルってのは出しゃばり過ぎる性質の悪いオンナみたいで……」
「だーーーーっ! うるさいっ!」
エナが遂に大声を張り上げた。
「料理議論なんか聞きたかないわっ! 女子は! 腹減るとイラつくの! そしてあたしは! さっさと飯にありつきたいっつってんの! 今! 今すぐにっ! わかる!?」
この凄い剣幕に二人は息を飲んで閉口せざるを得なかった。
「……ハイ。わかりました」
道理が通っているんだかいないんだかわからない女の癇癪は出しゃばりな女よりも性質が悪い、と二人は思う。
一人で歩き出したエナにジストが「酢豚のパイナップルは邪道だよね」などと会話を広げる為の訳のわからないフォローを入れながら続く。
「……好みの女はオリーブオイルの癖に……」
ゼルはジストに向けた、誰も聞き取ることの無い小さな呟きを吐いて小走りで前を行く二人に追いついた。
「何にでもオリーブオイル使えばいいと思ってる料理なんざ、何処がいい? やっぱ選りすぐりの素材を使って作った和食が一番」
「和食だって何にでも醤油じゃねェかっ!」
「わかってねえなあ。醤油は味を引き立てるもので、オリーブオイルってのは出しゃばり過ぎる性質の悪いオンナみたいで……」
「だーーーーっ! うるさいっ!」
エナが遂に大声を張り上げた。
「料理議論なんか聞きたかないわっ! 女子は! 腹減るとイラつくの! そしてあたしは! さっさと飯にありつきたいっつってんの! 今! 今すぐにっ! わかる!?」
この凄い剣幕に二人は息を飲んで閉口せざるを得なかった。
「……ハイ。わかりました」
道理が通っているんだかいないんだかわからない女の癇癪は出しゃばりな女よりも性質が悪い、と二人は思う。
一人で歩き出したエナにジストが「酢豚のパイナップルは邪道だよね」などと会話を広げる為の訳のわからないフォローを入れながら続く。
「……好みの女はオリーブオイルの癖に……」
ゼルはジストに向けた、誰も聞き取ることの無い小さな呟きを吐いて小走りで前を行く二人に追いついた。

