雨の闖入者 The Best BondS-2



止まない雨はないと誰かが言った。

夢は永遠ではないと誰かが言った。


雨も夢も虹も。


永遠ではないから、だからこそ美しく、愛おしいものなのだろう。
夢が終わって後に待つのは苦い現実なのかもしれない。


だがそれでも。


夢の後には新たな夢が芽吹いて育つ。


明日が明るいものでなくても、いつか夢は華開く。

それが手折られる日がきても、豊満な大地は新たな種を育てるだろう。

人は希望を抱くことが許された唯一の生き物だから。

七色が描く奇跡に夢を馳せてもいいだろう。


虹から視線を外して彼らを見遣ると、当たり前のように彼らと目が合う。


エナは微笑んだ。

彼らも笑みを返した。


「大好き」とエナは笑みを深くした。