――そして今日、結婚式。

白いドレスの友達は、まぶしいほどに綺麗だった。
彼がその手を取り、優しく指輪をはめる。
差し込む光が二人を包んで、まるで映画のワンシーンみたいだった。

拍手の中で、私はそっと息を吐いた。
涙が出そうになったけれど、それはもう悲しみじゃなかった。

――あぁ、もう大丈夫。
この気持ちは、今日でしまっていこう。

披露宴のテーブルでは、新郎の同僚という男性が隣に座った。
人懐っこい笑顔で「料理、すごく美味しいですね」と話しかけてくる。
自然と笑顔が返せた。
ほんの少し、心が温かくなった。

ブーケトスの花束が、偶然、私の足元に転がってきた。
拾い上げた白い花を見つめながら、
小さく「ありがとう」と心の中で呟いた。