白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

 おそらく一割引きを言い出した私の名前をわざわざ書いたのだろう。
 ダントレット商会と契約者名にしたら、父がうるさそうだと向こうも思ったのかもしれない。

 だからこんなに父の機嫌が悪いのね。
 私に仕事を盗られたと思っているみたい。

「なにか問題でもありましたか、お父様」
「大ありだろう! なんだこの契約書は」
「なんだと申されましても……。お父様が貴族の名を買ったからこそではないですか?」
「なぜそうなる」

 普通はそうでしょうね。
 向こうの意図も知ってるけど、この契約は私にとってもこっちの方が都合がいいのよ。

 なんとか言いくるめなきゃ。

「お父様が貴族籍をお買いになったので、この契約が取り戻せたというものです」
「それは」
「確かに契約者は私の名前ですが、そんなのはささやかな問題ではないですか。私は結婚したとしても、この家のものであることには変わりないですし」

 父は私の言葉に腕を組みながら、唸り、眉間にシワを寄せた。