土師凌久は俺がこの先どう動くか分かっていた上でそう言ったのだろう。

 視線を落として言った土師凌久の表情は読めなかったが、確かに俺はこの時何も分かっていなかった。

 分かったのは、彼女との別離が決まった時だった。