式場を辞めた私は、しばらくは派遣で事務の仕事をしていた。
もう責任のある立場はこりごり‥‥こうして日々の糧を得ていればそれでいい。
数か月後にはそう考えるまでになっていた。
そんなある日の事。
「白石さんは以前、結婚式場で働いていたって話だよね」
派遣会社の主任に、そう聞かれた私は頷いた。
「それは良かった。実は婚礼コンサルティングの会社から派遣の依頼が来てるんだけど。白石さんを名指しで希望してるんだ」
「私を?」
どういう事なんだろうか。
「出来て間もないベンチャー企業なんだけどね。まあ、いわゆる結婚式のトラブルサポートのようなんだ。確かに、普通の事務員では無理な話だ」
「‥‥‥‥」
「頼むよ。時給はその分、上乗せするからさ」
「‥‥分かりました」
なぜ私が指名されたのかは分からないけど、面倒な事になれば、すぐに引き上げればいい。前のような事にはならない。
首を縦に振ったのは、そんな思惑があったから。
もう責任のある立場はこりごり‥‥こうして日々の糧を得ていればそれでいい。
数か月後にはそう考えるまでになっていた。
そんなある日の事。
「白石さんは以前、結婚式場で働いていたって話だよね」
派遣会社の主任に、そう聞かれた私は頷いた。
「それは良かった。実は婚礼コンサルティングの会社から派遣の依頼が来てるんだけど。白石さんを名指しで希望してるんだ」
「私を?」
どういう事なんだろうか。
「出来て間もないベンチャー企業なんだけどね。まあ、いわゆる結婚式のトラブルサポートのようなんだ。確かに、普通の事務員では無理な話だ」
「‥‥‥‥」
「頼むよ。時給はその分、上乗せするからさ」
「‥‥分かりました」
なぜ私が指名されたのかは分からないけど、面倒な事になれば、すぐに引き上げればいい。前のような事にはならない。
首を縦に振ったのは、そんな思惑があったから。



