一方で、晴明も少しずつ咲妃に心を許し、日常の些細な仕草や笑顔に人間らしさを見せるようになっていた。

しかし咲妃には、晴明の本心がまだわからず、心の奥でドキドキしながら日々を過ごしていた。




 ある夜、晴明が依頼から帰宅すると、珍しく酒に酔って居間で寝そべっていた。


 咲妃は心配になり、そっと布団をかける。すると、ふわりと香水の匂いが漂ってきた。



「(もしかして……女の人と会ってた……?)」



 咲妃の想像が暴走し、胸がざわつく。なかなか眠れないまま夜は更けていった。