月明かりの下で、あなたに恋をした


「今夜、窓から月が見えたら……俺のことを思い出してくれますか」

心臓が大きく跳ねた。それは、どういう意味だろう?

「……分かりました」

答えると、葛城さんが微笑む。

「メリークリスマス、柊さん」
「メリークリスマス、葛城さん」

私たちは、また見つめ合った。葛城さんの目が、柔らかい。

この人と、もっと一緒にいたい。この関係を、次のステップに進めたい。

そう思いながら、私は駅の改札へ向かって歩き始めた。



帰りの電車の中で、私は窓の外を見つめていた。

今日、葛城さんと手を重ねた。あの確かな温もりが、まだ手のひらに残っている。

私はスマホを取り出し、真帆にメールする。

【真帆へ

クリスマスイブの今日、あの人と会ったよ!
手を繋いだ。夢みたい。
私はあの人のことが好きだけど……
彼は、どう思っているんだろう?】

送信して、翌朝。スマホを見ると、真帆からのメッセージが届いていた。