通りがかる学生が美女二人と話す俺を、
もの羨ましそうに眺めている。
アディダスのロゴのdが剥がれ、
『aidas《愛だす》』となったジャージを着た俺なんかよりも、
カジュアルに着こなした自分の方が優ってるに違いないと思っているはずだ。
だけど、それは間違いだ。
どれだけカジュアルに着こなそうが彼女たちは、
君たちなんて見向きもしないだろう。
だっちんの友達だからという理由で俺も話せている訳であって。
なんだか、
虚しくなり惨めになってくるから、
この話はやめてさしてくれ。
とにかく今言えることは、
顔が良くないといけないんだわ、
ということだけだ。
「たぶん、使ってるー。なんならブルガリ、五種類ぐらい持ってた気がするなー。ほとんど使ってないけど。だから、一個無くなっても気づかないんじゃない」
花恋は思い出すかのように、
笑みを浮かべていた。
「なら、俺が貰ってやるから、一番高そうな物を取ってきてくれ」
「いや、何でよ?うちが得することなんてないじゃん」
「大丈夫。売ったお金でデートぐらいはしてあげるよ」
俺は自然体な感じで、
タチの悪い冗談を言うと、
「はぁ?何でうちがりょうちんなんかと!」と本気と書いてマジな感じで、
花恋が納得のいかない模様。
「いや、なんかとは失礼だな。協力してあげてるんだし、お礼のつもりでデートぐらいはいいだろ?」
「え〜、それとこれとは違うくない?鬼恥ずいし、急だし、りょうちんだし!」
なんだ、
その三拍子揃えましたって感じ、
こちらは冗句で言っただけなのに胸糞悪い。



