人生クレイジー〜俺のプリン食べた?〜


ガラス張りのドア越しに、

体育館へと続く一本道をギャル二人組がこっちに向かってやってくるのが見えた。


何やらヒソヒソと話をしながら、

こちらを見てくる。


近づくにつれ、

ギャル二人組の美白脚が俺を虜にさせている。

しかも、

二人とも美女。


俺の目の前で不自然に止まると、

二人組のうちの片方が話しかけてきた。



「りょうちんだよね?」



「え!?……そうだけど、何?」



「うちら、社会福祉科なんだけど、ちょっとだけ話そうよ」



突然の美女二人組からの脈ありサインに、

自分の名が馳《は》せてるのだと決めてかかると、

少しばかり有名人気取りを見せていた。



「あのさ、麻那《まな》がさー、

あッ!麻那っていうのは、この子なんだけどさ。

どうしても話がしたいって言うもんだから話しかけたの。

もーう、麻那からも言いなさいよ!

だっちんと話がしたいって!」



「だっちん?!あーー俺じゃないんだ……」



曲がった眉が跳ね上がると、

後退《ずさ》るように視線をギャル二人組へと向けていた。


どれだけ自意識過剰すぎたのか、

俺は恥ずかしさと一緒に思い知らされる。


そういうことか、

だっちんに近づくには、

まず友達の俺からという戦法なんだな?


俺はだっちんと話せるきっかけ作り役にすぎず、

それ以上の関係性になることはないみたいだ。


バカな俺にでも分かりやすい魂胆を見抜いてみせた。



「あッ、ごめーん。もちろん、りょうちんとも話したかったんだよ。だから、元気出して。それで、りょうちんさえ良ければ、麻那に協力してあげてほしいんだけど?」



ついで感丸出しのギャルは都合よく俺を利用しようとしている。


まるで付録付き雑誌のようでやるせない。


お目当ての付録はだっちんで、

俺は読みもしない雑誌なのか。


きっと話すきっかけさえ作ったら、

俺なんて犯罪組織の構成員のように、

用済みだと切り捨てられる運命。


清楚系に部類される麻那って子は恩義に報いるとは思うが、

話しかけてきたヤンキー系に部類されるギャルは、

まさしくそれだと思う。


友達思いではあるのだろうが、

何でもない俺に構う必要なんてないからね。


それに、

だっちんはヤギちゃんのことが好きなのだから、

協力する必要もなさそう。