今夜泊まるホテルの大部屋には、
まだ絡んだことがない男子が、
ちらほらいた。
3つか4つぐらいのグループに自然に分かれると、
まるで初めましてを感じさせないぐらい、
意気揚々と笑いが生まれていく。
トランプゲームの大富豪を一緒に遊ぶだけなのに、
腹を抱えるほどの面白さ。
罰ゲームあり、
それも一番負けが早口言葉を言うだけの、
至ってシンプルな優しい罰ゲームを、
一人の男が掻き乱していく。
それは入学説明会時は不在で、
勝手に『濱《はま》ちゃん』とあだ名付けされた沖濱《おきはま》吏音《りおん》、
沖縄の訛ったゆったり口調で、
何度も何度も早口言葉に挑戦している。
早口言葉なのに、
早口が言えない濱ちゃんはすっかり俺のお気に入り。
弄り甲斐があって、
聞き慣れない独特の口調が面白く、
俺とは違った面白さを兼ね備えていた。
それに何を言っても怒らないから、
こちらとしても絡みやすい。
これから旅をお供するRPGゲームの仲間のように、
俺は濱ちゃんを仲間へと引き入れた。
これが、
俺と濱ちゃんとの出会い。


