不完全な私を愛してくれたのは、年上の彼でした



金曜日。私はオフィスで、チームのみんなに声をかけた。

「みんな、ちょっと相談に乗ってくれる?」

会議室に集まった同僚たちに、私はプロジェクトの概要を説明した。

武男さんの店のこと。60年の歴史。そして、「心が伝わるサイト」を作りたいという想い。

「素敵なプロジェクトですね」

デザイナーの佐藤さんが身を乗り出した。

「私、こういう人間味のあるデザイン、大好きなんです」

「もちろん手伝います!」

田辺さんも二つ返事で答えてくれた。

「私も!」

「僕も!」

みんなが次々と、頷いてくれる。

「ありがとう。ただ、一つだけお願いがあります」

私は真剣に言った。

「このサイトは、『正しさ』じゃなくて、『想いが伝わること』を目指したいんです」

「了解です」

「希さんの想い、僕たちも共有します」

「ありがとう、みんな」

会議室を出る時、沙紀が私の肩を叩いた。

「希ちゃん、変わったね」

「え?」

「前は、絶対に人に頼らなかったのに。今は、ちゃんとみんなを信頼できるようになった」

沙紀が穏やかに笑う。

「それって、すごい成長だと思うよ」

その言葉に、胸が熱くなった。

「ありがとう、沙紀」

「お礼なんていいよ。これからも、一緒に頑張ろうね」

◇

その夜。私は篠塚さんと、「珈琲と本」で待ち合わせた。

「お待たせしました」

篠塚さんが、大きなバッグを持ってやってきた。