オンラインゲームのフレンドは直属の上司だった

──クリスマス当日

私は大きな駅で羽山さんと待ち合わせをしていた。

いつもよりちょっと気合を入れて、この日の為に服を買った。

羽山さんどう思うかな…

ギリギリでヘアサロンで髪も雰囲気を変えて、メイクも、派手すぎず地味すぎず、少し可愛い感じに…

似合ってなかったらどうしよう…!

ドキドキしながら待ってたら、ふわっと隣に気配が。

ふと見たら、背が高い、モデルみたいな男の人が…

「羽山さん…?」

「うん」

羽山さんが…眼鏡をかけている…!!

全く別人みたい…

「え、視力悪いんですか!?」

「うん、普段はコンタクト」

びっくりしたけど…

眼鏡してる羽山さんもかっこいい…

服も、スーツの時と違って、少し緩い感じが、また良い…!

「なんだよその顔…」

「え!私、メイク失敗してますか!?」

「そうじゃなくて…顔が凄いニヤけながら緩んで面白かった」

何やってるんだ私は…!!

恥ずかしくて顔を隠した。

その後、羽山さんに連れてきてもらった場所は…

プラネタリウムだった。

私はプラネタリウムに来るのが初めてだった。

中に入ると…

カップルが沢山いた。

私と羽山さんは一番後ろの席に座った。

羽山さんが隣に座っている…

その後、上映のアナウンスが流れた後、ゆっくりと星空が浮かび上がって…

あ、これ、既視感…

あの日、ハヤテと見た星空…

あの時はまだお互いの事をわかってなくて、あの空を見た時、凄い感動したんだ。

"あまる"をあそこに導いてくれた"ハヤテ"

羽山さんとは全然違うと思ってたけど、やっぱりハヤテは羽山さんなんだなって改めて思った。

言葉にしないけど、色々考えてて…

色々あって無口で無表情な感じだけど、きっと、その前は、思いをちゃんと表現できる人だったのかもしれない。

ハヤテはきっと、そんな昔の羽山さんだったのかな…

それは私の思い込みの勝手な妄想だけど…

私の前で見せる羽山さんの言葉やさりげない行動が…

そう思わせるんだ。

星空を見ながら思い出や想いに浸ってると、羽山さんが肩をそっとトントン叩いた。

振り返ったら羽山さんと唇が触れた。

びっくりしすぎて声がでそうになったけれど、羽山さんにシーッとジェスチャーをされて、なんとか堪えた。

もう空なんて見てる場合じゃなくて、顔を押さえて悶えていた。

落ち着いてきて、また見上げた時、今度は手が触れ合った。

私の心は羽山さんからのキュン攻撃がクリティカルヒットし、ノックアウトされた…

ドキドキして思考がまともに動いてなくて、その時流れ星が見えた時──

「好き」って耳元で囁かれた。

これはオーバーキル…

鼻血が出そうなほど全身の温度が上がった気がした….

幸せすぎて、このまま時が止まって欲しかった。

プラネタリウムが終わって、明るくなったら、いつもの羽山さんの表情。

まるで何もなかったかのように。

クラクラしたまま羽山さんの服の裾を掴みながら歩いていた。

羽山さん…そんな…リアルでも積極的だと…心が持たない…

でも今日は特別なんだ。

クリスマスプレゼントなんだ。

神様からの…

堂々と付き合えなくても、頑張れるように。

暖かい気持ちがじんわり広がって、ただ隣を歩いていた。

この日は恥ずかしくて言えなかったけど。

やっぱり羽山さんが好き。

そんな特別なクリスマスだった。