オンラインゲームのフレンドは直属の上司だった

クリスマス、どこか一緒に行く提案してくれた羽山さん。

どこに行こう。

私達のリアルで初めてのお出かけ…

仕事をしながら羽山さんをチラッと見る。

他の社員と話し込んでいて。

そのポーカーフェイスと、感情を読み取れない話し方が、二人で話している時と全然違って尊い…

思わずニヤけてしまう。

まずい!気を引き締めないと。

また誰かに勘づかれたら大変だ。

私はまた仕事モードになって淡々とこなしていた。

新人の葉月さんは、だいぶ仕事に慣れてほとんどミスもしなくなり、頼もしい。

昼休みに少し会話をしながら廊下を歩いてた。

「先輩、ちょっと相談してもいいですか?」

可愛らしい顔で聞いてきた。

「どうしたの?」

「あの…突然で申し訳ないんですが…。先輩、羽山さんと付き合ってるんですか…?」

「え!?」

隠しているのに…

なんでバレてるの??

「え?付き合ってなんかないよ…どうしてそう思うの?」

葉月さんは少し恥ずかしそうにしている。

「私…羽山さんが好きで…よく見ちゃうんですけど、先輩と話す時の羽山さんは少し違う気がするんです…」

え…

葉月さん、羽山さんが好きなのか…。

羽山さん、あの謎のオーラを放ってなければ相当モテそうなタイプではあるけど…

仕事してる時はいつもと変わらずお互い接してたつもりが、ちょっと滲み出てしまってるのかかな…

色々複雑な心境だ…

「ちょっと最初は怖かったんですけど、最近少し優しくなって、いいなって思ってて…」

羽山さんが無意識で少し変わった事に、気づいてる子がいるのか…

他の人もそうなのかな…

「付き合ってないって聞いて安心しました。突然すみませんでした!」

葉月さんはぺこっとお辞儀をして、エレベーターに乗って行ってしまった。

言えたなら…

私羽山さんと付き合ってるって。

でも、この関係を守りたいから、やっぱり言えない。

私は羽山さんの言葉を信じているしかないんだ。

その時、遠くに羽山さんが見えた。

目があってしまった…

私は無意識に目を逸らしてしまった。

そのまま別の場所に歩いて行ってしまい…

「なんで逃げるんだよ」

いつの間にか追いつかれてびっくりした。

「逃げてないですよ…?」

羽山さんの顔を見ると、また感情が爆発してしまいそうで…

羽山さんは気にしてるみたいだけど、私は堪えた。

「クリスマスの事だけど…また連絡する」

羽山さんは通り過ぎようとした。

その時、私の頭にポンと触れた。

私はそれで幸せで胸がいっぱいになって、また一人で悶えていた。

クリスマス…なんだろう。

気になる…