私はその日、急いでいた。
昨日注文したオンラインRPGが届く!
「お疲れ様でした!」
オフィスを急いで出ようとした時、エレベーターのドアの前に羽山さんが立っていた。
今年度から異動で来た上司だ。
いつものように無表情で、何を考えているのかわからない。
普段はあまり目立つタイプではないけれど、こうして近くで見ると、意外と整った顔立ちをしている。
「お疲れ様です」
私が挨拶すると、羽山さんは軽く頷いた。
「お疲れ」
低く落ち着いた声が静かに聞こえた。
一緒に一階まで降りる間、私は羽山さんをちらりと見た。
背が高くて、スーツをきちんと着こなしていて、でも近寄りがたくて、こんなふうにじっくり見る機会はあまりない。
この人が何を考えているのか、異動してきてから一度もわかったことがない。
エレベーターが一階に着き、ビルのエントランスに行った時、大雨が降っていた。
折り畳み傘を取り出そうとしたら…
「あ…傘忘れた…」
入ってなかった。
詰んだ…
そう思って雨が止むのを待とうとしたら、羽山さんが隣にきた。
「…入るか?」
羽山さんがとった行動が意外だった。
なんとなく気が引けるけど…
この好意を踏みにじるのは失礼だ。
「ありがとうございます」
私は羽山さんの傘の中に入った。
特に会話もなくただ二人で歩いている。
ただなぜか、一緒にいると落ち着く。
駅に着いて、羽山さんに深々とお礼をした。
「羽山さん、助けてくれてありがとうございます」
羽山さんは頷いた後、改札を通ってホームに行った。
不思議な人だけど…優しいんだな…。
少し心が暖かくなった。
そして、私ははやる気持ちを抑えて電車に乗った。
家まで一直線!
自宅のポストには…
ちゃんと届いていた。
ゲームが。
『エターナルクエスト オンライン』
嬉しくて仕方がない。
久々にゲームができる!
しかも今回は広大なオンラインRPGの世界…
私はソフトをゲーム機にセットして、ゲームを立ち上げた。
ワクワクしながらゲームのオープニング映像が出てくるのを待つ。
そして…テレビいっぱいに、綺麗なグラフィックで表現されたゲーム世界…!!
ゲームのテーマソング、楽しそうなキャラたち、ワクワクする!
買ってよかった!
まずは…キャラクターを選ぶ画面からだった。
キャラの見た目や種族を決められる。
私はエルフの女の子キャラが好きだから、すぐに決められた。
キャラクター名は”あまる”
"あまる”というキャラクター名は、私の本名が"天川留美”だから、そこから作った名前だ。
いつもゲームをやるときはその名前にしている。
そして…物語の扉が開いた。
そこには…
頭の上にアカウント名がついてるキャラが町中をウロウロしている。
色んな種族のキャラがいて、友達なのかアクションで挨拶したり、一緒に写真を撮っているようなポーズをしたり、中にはカップルのようなキャラ達もいた。
これは…
ゲームなはず…
とりあえずメインストーリーを進めようと、パーティーメンバーをレンタルしながら序盤を進めようとした。
──しかし
どこの町に行っても、色んなキャラ達が楽しそうにコミュニケーションをとっていって、現実から離れたファンタジー世界を楽しみたいのに、ここでも人間関係にモヤモヤする私…
そう、私は、人見知りなのである。
だから、会社でも他の社員とあまり打ち解けられず、必要最低限のやり取りしかしない。
なぜゲームでぼっちで苦しまないといけないのか…
そんなのリアルだけで十分!!
悲しくなった私は、試しに、フレンド募集をかけた。
ダンジョンを攻略するという名目で募集をかけた。
しかし私はまだ始めたばかりでレベルも低い。
誰からも声がかからない。
そう思っていたら、返信が来た。
チャットには
『今どこにいますか?』
と書いてあった。
私は嬉しくて胸が躍った。
昨日注文したオンラインRPGが届く!
「お疲れ様でした!」
オフィスを急いで出ようとした時、エレベーターのドアの前に羽山さんが立っていた。
今年度から異動で来た上司だ。
いつものように無表情で、何を考えているのかわからない。
普段はあまり目立つタイプではないけれど、こうして近くで見ると、意外と整った顔立ちをしている。
「お疲れ様です」
私が挨拶すると、羽山さんは軽く頷いた。
「お疲れ」
低く落ち着いた声が静かに聞こえた。
一緒に一階まで降りる間、私は羽山さんをちらりと見た。
背が高くて、スーツをきちんと着こなしていて、でも近寄りがたくて、こんなふうにじっくり見る機会はあまりない。
この人が何を考えているのか、異動してきてから一度もわかったことがない。
エレベーターが一階に着き、ビルのエントランスに行った時、大雨が降っていた。
折り畳み傘を取り出そうとしたら…
「あ…傘忘れた…」
入ってなかった。
詰んだ…
そう思って雨が止むのを待とうとしたら、羽山さんが隣にきた。
「…入るか?」
羽山さんがとった行動が意外だった。
なんとなく気が引けるけど…
この好意を踏みにじるのは失礼だ。
「ありがとうございます」
私は羽山さんの傘の中に入った。
特に会話もなくただ二人で歩いている。
ただなぜか、一緒にいると落ち着く。
駅に着いて、羽山さんに深々とお礼をした。
「羽山さん、助けてくれてありがとうございます」
羽山さんは頷いた後、改札を通ってホームに行った。
不思議な人だけど…優しいんだな…。
少し心が暖かくなった。
そして、私ははやる気持ちを抑えて電車に乗った。
家まで一直線!
自宅のポストには…
ちゃんと届いていた。
ゲームが。
『エターナルクエスト オンライン』
嬉しくて仕方がない。
久々にゲームができる!
しかも今回は広大なオンラインRPGの世界…
私はソフトをゲーム機にセットして、ゲームを立ち上げた。
ワクワクしながらゲームのオープニング映像が出てくるのを待つ。
そして…テレビいっぱいに、綺麗なグラフィックで表現されたゲーム世界…!!
ゲームのテーマソング、楽しそうなキャラたち、ワクワクする!
買ってよかった!
まずは…キャラクターを選ぶ画面からだった。
キャラの見た目や種族を決められる。
私はエルフの女の子キャラが好きだから、すぐに決められた。
キャラクター名は”あまる”
"あまる”というキャラクター名は、私の本名が"天川留美”だから、そこから作った名前だ。
いつもゲームをやるときはその名前にしている。
そして…物語の扉が開いた。
そこには…
頭の上にアカウント名がついてるキャラが町中をウロウロしている。
色んな種族のキャラがいて、友達なのかアクションで挨拶したり、一緒に写真を撮っているようなポーズをしたり、中にはカップルのようなキャラ達もいた。
これは…
ゲームなはず…
とりあえずメインストーリーを進めようと、パーティーメンバーをレンタルしながら序盤を進めようとした。
──しかし
どこの町に行っても、色んなキャラ達が楽しそうにコミュニケーションをとっていって、現実から離れたファンタジー世界を楽しみたいのに、ここでも人間関係にモヤモヤする私…
そう、私は、人見知りなのである。
だから、会社でも他の社員とあまり打ち解けられず、必要最低限のやり取りしかしない。
なぜゲームでぼっちで苦しまないといけないのか…
そんなのリアルだけで十分!!
悲しくなった私は、試しに、フレンド募集をかけた。
ダンジョンを攻略するという名目で募集をかけた。
しかし私はまだ始めたばかりでレベルも低い。
誰からも声がかからない。
そう思っていたら、返信が来た。
チャットには
『今どこにいますか?』
と書いてあった。
私は嬉しくて胸が躍った。



