オンラインゲームのフレンドは直属の上司だった

エタクエではクリスマスイベントが始まった。

イベント用の可愛い装備がでてきて、それをあまるに着せて楽しんでいた。

今日は通話しながらゲームをしていた。

ハヤテは…トナカイのコスチュームを着ていて、それがシュールで笑ってしまった。

「羽山さんって面白いですね、ゲームの中だと」

「ここだとなんでもありだろ」

リアルとのギャップが凄すぎて、それがたまらなく私の羽山さんへの気持ちを強くした。

「羽山さんって昔からあまり感情を出さないタイプだったんですか?」

実は羽山さんの過去が気になっていた。

「いや…こうなったのは…ここ数年でかな」

何かあったのかな…?

「差し支えなければ聞いてもいいですか…?」

少し羽山さんは躊躇ってる感じがしたけど、話し始めた。

「数年前に別の支店でかなりパワハラがきつい上司がいて…もう何言ってもダメで、それに一喜一憂してるのが面倒くさくなって、仕事では感情を捨てた」

そんな人が居たんだ…

うちの会社はここ数年でコンプライアンスが厳しくなったから、通報があると、処分が下る場合もある。

でもそれより前だと…

かなり横行していたってのは聞いたことがある。

「それで潰れたやつも何人もいた。実家が遠いから、学生時代の頃の仲間とも会わなくなったし、まともに話すの、鈴木くらいだったかな」

そうだったのか…

沢山羽山さんが話してくれたおかげで、羽山さんがなぜそうなったかわかって…

私に話してくれた事が、不謹慎だけど嬉しかった。

「羽山さん、言いにくい事聞いてごめんなさい。でも、言ってもらえて…また羽山さんの事知ることができました」

そんな深刻な話をしてるけど、あまるとハヤテは雪合戦をしている。

「天川は裏表なさそうだし、結構素直だから…そういう奴は信頼できるかな」

信頼…

信頼されてる!羽山さんに!

羽山さんは仕事ができるタイプだから、とても光栄に思えた。

「なんか…あまるって、最初会った時から、天川に雰囲気似てたんだよな…」

え??

「この可愛いエルフちゃんがですか!?」

少し羽山さんが笑った。

「話し方とか、のほほんとした感じとか、距離感とか…なんとなく」

そんなのゲームキャラでわかるの?

私そんな自分の性格丸出しだったのかな…

「だから、あまると冒険した時、ずっと一緒にいたいと思った」

くっ…

羽山さんの言葉で心がキュン死しそうだ。

「羽山さんも素直に話してくれて嬉しいです」

時間はあっという間に過ぎて…

そろそろ寝ようとした。

「瑠美って呼んでいい?」

「え!!」

そ、そんな!!

羽山さん…なんかリアルでも積極的に…!

「いいですよ…」

凄く恥ずかしいけど…

「おやすみ、瑠美」

私はまた恥ずかしくてベッドの上で悶えていた。

あまり会えないけど…

今はなんとかこれで乗り越えられそうな気がした。