オンラインゲームのフレンドは直属の上司だった

私と羽山さんはお互いの気持ちが通じ合って、恋人とまではいかないけど、ただの会社の社員同士以上の関係になった。

なってしまった…。

でも、私と羽山さんは上司と部下。

この関係は絶対に秘密にしないといけない。

社内恋愛がバレてしまった場合、運が悪いとどちらかが異動になる場合もある。

だから、リアルではなるべく慎重に動かないといけない…。


──だから


土日のハヤテとあまるは、朝から晩まで休憩を挟みながら遊んでいた。

ストーリーが一気に進む。

ストーリーの大きな展開に二人で驚きながら、子供のように無邪気にワクワクしながら進めている。

リアルを忘れてゲームに没頭していた。

次の日が休みの場合は夜更かしして遊んで、昼くらいまで寝て、起きた方からまたゲームに戻る。

ダラダラ二人の自由気ままに。

今羽山さんはどんな服を着てるのかとか、少し気になったりもしつつ…。

「おはよ〜」とか「ただいま〜」とか「おかえり〜」とか挨拶をお互い言う度に、ここが特別な場所に思えた。

ただ、用事があって何時間かいない時とか…

何してるのかなーって

気にはなる。

聞かないけど、だんだんとハヤテのリアルが気になる。

同じ会社だけど…

仕事とゲーム以外はよく知らない。

ハヤテの姿を見ながら、羽山さんは今どんな顔をしてるのか考えたりした。

◇ ◇ ◇

その日、羽山さんのデスクの近くに新人の葉月さんがいた。

それを見たら少し心がざわついた。

葉月さんの見せた資料を見ながら、羽山さんは何かを説明していた。

少し葉月さんが微笑んだりして…。

嫌な気持ちが湧いてくる。

これは、羽山さんが上司として当然の行動をとってるだけで、私だけが特別扱いというわけではない…。

戻ってきたら葉月さんは、心なしか嬉しそうだった。

複雑…

でも耐えないと…!

その後、オフィスのフロアの片隅で風景を見て気を紛らわせていたら、羽山さんが来た。

「どうした?」

「いえ…ただ景色が見たくなったんです」

新人の女の子に嫉妬するなんてみっともない…。

「今日の夜、あっちで相談したい事がある。」

あっちとは…

エタクエかな?

「じゃあ、また」

羽山さんは少し微笑んで行ってしまった。

なんだろう?

◇ ◇ ◇

夜にエタクエにログインして、ハヤテに言われたのは…

『家を買おうと思う』と

家???

『どこで買うの?』

『チュートリアルで説明あったよ』

ゲーム攻略に関係なさそうな事はスルーしていた…

ハヤテはちゃんと覚えてて、ずっと場所を探していたみたいだった。

家があるメリットを聞いたら、アイテムを沢山ストックできる事、寝起きができるから回復ができる、敷地内を自由にコーディネートできるとか、色々あった。

アイテムがストックできるのは大きい…!

私も家買う!と言おうとしたその時


『一緒に住もう』と言われた。


予想外の話に激しく動揺した。

あくまでゲームの中だけど…

一緒の家に住むって…

それは照れる…

でももう、ハヤテは2人で住む方向で考えていたみたいで、あとは私の返事待ちだった。

そんな…

断われるわけがない…!

だって一緒にこれからも冒険したい。

なるべく一秒でも長く一緒に居たい。

だから私はハヤテに言った。

『これからも宜しくね!』

ハヤテはその返事をしたら直ぐに家を買った。

あまるとハヤテは、ただの旅の冒険者から、同居人へとレベルアップ?した。