風で雲が流れ、今まで隠れていた赤い月が顔を覗かせる。

その月明かりに照らされた弓兵の顔は。

「……!」

見覚えのある顔だった。

「貴方は…!」

そう、それは紅のクラスの担任教師であった。

「まいったな…」

教師は笑う。

「早乙女…お前が争奪戦の参加者である事は、屋上で口論していたので気づいたが…まさかここまでの腕だったとはな…」

その表情に憎悪はない。

むしろ清々しささえ感じさせる。

「参った…完敗だ。俺の敗北を認める」