狂愛されて、壊れそう。

 「やっぱり、お京さんはカッコイイなぁ〜!」

 わたしは、田中さんが持ってきてくれたお菓子を口に頬張りながら言う。

 「おれの方がカッコイイだろ」
 「なに?アンタ、俳優に嫉妬してんの?ウケる」
 「あぁ?嫉妬なんてしてねぇーよ」
 「もうっ!喧嘩しないの!」

 どうして、ふたりは喧嘩ばっかりするんだろう…?

 仲良くすれば良いのに…。

 「まぁ、おれはカッコイイっていうよりは綺麗な方だからね」
 「確かに、輝流くんって綺麗だよね〜」
 「男のくせに女みたな顔しやがって」
 「ムカつく言い方しないでくれる?」

 ふたりが言い合いをしてると襖(ふすま)が開いて、悠雅パパが姿を現す。