狂愛されて、壊れそう。

 放課後になり、わたしたちは悠雅くんのお家に向かっていた。

 「なんで、お前までいるんだよ!」
 「別に良いでしょ?桜子がどうしてもおれと遊びたいって言うから」

 そう、今日は輝流くんも一緒なの!

 わたしがどうしても「遊びたい!」って言ったら「良いよ」って言ってくれたの!

 「モデルの仕事でもしてろよ」
 「昨日の今日だからね。今日は休みなの」
 「もっー!ふたりとも仲良くしようよ!ほら、悠雅くんのお家に着いたよ!」

 わたしたちは、大きな門を開けて中に入る。

 「へぇ〜。アンタん家がヤクザって本当だったんだ」
 「そうだよ!悠雅くんのお家はカッコイイヤクザなんだよ」

 輝流くんは物珍しそうにあっちこっちを見渡す。

 「なんで、お前が威張るんだよ」
 「えへへっ!」
 「どうでも良いけど、早くアンタの部屋に案内してよ。歩いて疲れたから」
 「偉そうにするなよ…。こっちだ」

 悠雅くんは、少し怒ったようだけど悠雅くんのお部屋まで案内してくれた。

 途中で田中さんに会ったら「坊ちゃんの新しい友達!?」って凄く驚いてた。

 「ここだ」
 「小学生のくせに広い部屋じゃん」
 「ねぇねぇ!なにして遊ぶ?」

 わたしは、早速お部屋を開けるとおもちゃ箱からわたしがお家から持って来たおもちゃを取り出して見せる。

 「お人形さんもあるし、絵本もあるよ!ゲームもあるし!」
 「人形遊びとかガキじゃあるまいし、やらないよ。それより疲れたから休ませてよね」
 「え〜。じゃ、録画したお京さん見よう!」

 わたしは、お部屋にあるテレビを操作してドラマを流す。

 「ねぇ、いつもこんな感じなの?」
 「そうだが?」
 「よく付き合ってられるよね。アンタ、人形遊びとかするの?」
 「…。仕方がなくやってるんだよ。おれの趣味じゃねぇよ」
 「ふーん。アンタって桜子には甘いんだね」
 「別にそんなんじゃねぇし」
 「なにお話してるの?」

 わたしは、ふたりがコソコソと話しているのが気になって聞くが「なんでもない」って言われちゃった。