狂愛されて、壊れそう。

 だから、話しかけてみることにしたの。

 わたしは、ポツンとひとりで教室にいる悠雅くんの所に行くと「ねぇ、ねぇ」と話しかける。

 「……」

 悠雅くんは、わたしのことをチラッと見るだけで、なにも言わない。

 「あれ?聞こえてないの?」

 聞こえてないと思ったわたしは、悠雅くんの柔らかなぽっぺを「つんつん」と指で突っついてみた。

 すると、驚いたように目をまん丸にする。

 「なにするんだよ。テメェ」
 「てめぇ?ってなあに?」
 「お前のことだよ」
 「わたしの名前はおまえじゃないよ。桜子だよ」
 「あっそ。どうでもいいから、あっちに行けよ」

 悠雅くんは、「しっしっ」と手で追い払う仕草をする。

 「なんで?一緒に遊ぼうよ」
 「遊ばねぇーよ」
 「どうして、いつもひとりでいるの?」
 「そんなの、お前に関係ないだろ」

 悠雅くんはそう言って、プイッと窓の方にお顔を向けちゃた。