「身勝手な話ですね」
「本当にな。けど、二人は一緒になることを認められ、末長く暮らしたと」
身勝手な親達だけど、時代がそうさせたということか。
湯葉のあんかけを口に運んでいると、再び「失礼します」と声がかかった。
刺身の盛り合わせと、お野菜の炊き合わせが並べられた。
「あー、料理の説明は大丈夫だから」
話の邪魔をしないでくれよと、冗談めかして笑った一鷹さんは、配膳を済ませたスタッフが立ち去ると「どこまで話したかな」といった。
「結び橋で誓いあった二人が結ばれた、と」
「そうだった。その伝承もあって、あの橋に恋愛成就を祈願しに来る旅行客も多いんだが……」
少し眉をひそめた一鷹さんが私を見た。
「君はそう見えなくてな。そうしたら、欄干に手をついて川底を見下ろすじゃないか」
小さくため息をこぼして「肝が冷えたよ」と呟く。
なるほど。私にそんなつもりは微塵もなかったけど、端から見たら思い詰めた顔をしていたのかもしれない。
「……身投げでもすると思いましたか?」
「本当にな。けど、二人は一緒になることを認められ、末長く暮らしたと」
身勝手な親達だけど、時代がそうさせたということか。
湯葉のあんかけを口に運んでいると、再び「失礼します」と声がかかった。
刺身の盛り合わせと、お野菜の炊き合わせが並べられた。
「あー、料理の説明は大丈夫だから」
話の邪魔をしないでくれよと、冗談めかして笑った一鷹さんは、配膳を済ませたスタッフが立ち去ると「どこまで話したかな」といった。
「結び橋で誓いあった二人が結ばれた、と」
「そうだった。その伝承もあって、あの橋に恋愛成就を祈願しに来る旅行客も多いんだが……」
少し眉をひそめた一鷹さんが私を見た。
「君はそう見えなくてな。そうしたら、欄干に手をついて川底を見下ろすじゃないか」
小さくため息をこぼして「肝が冷えたよ」と呟く。
なるほど。私にそんなつもりは微塵もなかったけど、端から見たら思い詰めた顔をしていたのかもしれない。
「……身投げでもすると思いましたか?」


