もうひとつのバースデイ

「私⋯⋯ひとりになるのが怖いというだけで、ズルズルと付き合い続けてきました。でも、世の中にはひとりで素敵に生きている人なんて、いくらでもいますよね。私も、そういう人を見習って、自分を愛したいと思います。誰かの愛を求めるより、自分で自分を愛することのほうが大事なことなんじゃないでしょうか」
「そうだね。でも、大丈夫だよ。今度こそ、桐生さんのことを大事に思う人と出会えるから。僕は、きみの決心を誇りに思う。彼に別れを告げた時の桐生さん、痺れるほどクールだった」
「そうですかね⋯⋯?私、モテないんですよね。他に誰か居たら、きっと、もうとっくに別れていたでしょうね。でも、もういいんです。恋愛が全てじゃないですし」
「今は、別れたばかりで余裕がないだろうけど⋯⋯もう少し経てば、桐生さんのことを本当に大切に想う誰かが、案外すぐ近くにいることに気づくよ」
 果たして、それはどうだろうか。