花は夜に咲く

すると、彗の手は下がっていった。


私は、彗に思い切り抱きついた。


彗は少しよろけたがしっかり受け止めてくれた。


「こわかった...」


嗚咽に混じりながら、小さな声が出た。


「もう大丈夫だ。」


優しさに溢れた暖かい声だった。