すると、彗の手は下がっていった。 私は、彗に思い切り抱きついた。 彗は少しよろけたがしっかり受け止めてくれた。 「こわかった...」 嗚咽に混じりながら、小さな声が出た。 「もう大丈夫だ。」 優しさに溢れた暖かい声だった。