花は夜に咲く

どこかで猫の鳴き声がした。


その音に全身がびくりと震えた。


息が浅くなって、肺が苦しい。


足音が、もうすぐ背中に触れそうなほど近づく。


その瞬間、背後から腕を掴まれた。


「いや......やめて...!!」


冷たい指が肌に食い込む。


叫びたくても喉がふさがって声が出なかった。