花は夜に咲く

「見たぞ。お前、笑ってた。」


"笑ってた"


その言葉が、喉に刺さる。


あの夜、誰よりも完璧な笑顔を作っていた気持ち悪い自分を思い出す。


「……人違いでしょ。」


「違わねぇよ。」


彗が、1歩近づく。