花は夜に咲く

「ここでいい。」


彗が止まったのは、屋上の扉の目の前。


夕陽が彗の横顔を照らして輪郭を描いている。


彗は振り向かずに静かな声で言った。


「昨日、どこにいた。」


一瞬、頭が真っ白になる。


「な、なにそれ。急に...」