花は夜に咲く

___氷月 彗。


学校であった雰囲気とは違う雰囲気だった。


すらっとした白色の肌に黒のスーツがよく映える。


私の目には彗しか映っていなかった。


周りは時が止まったように動かない。


じっと見ているとパチンとはじけるように彗と目が合った。


すぐに逸らしてしまった。


心臓がどくどくうるさい。痛い。


胸を抑えると、常連客に「どうしたの?」と聞かれた。