ミーニングレス

――六ヶ月後
 
俺が羽呑をアイドルにスカウトしてから三ヶ月後にアイドルオーディションドッキリ〜伊集院羽呑再デビュー〜は無事に終わり、羽呑はアイドルとしての莫大な評価を得たが、本人はアイドルになるつもりはないと再び役者の道を選んだ
アイドルオーディションが終わると“伊集院羽呑 再デビュー”と、トレンド一位にもなり、いろいろ大変だったが、羽呑は結局アイドルオーディションを行ったMyriad Star production、通称ミリプロ所属の俳優となった
そしてアイドルオーディションが終わった三ヶ月後、無事映画の主演を獲得し、今はその撮影をしていた

「――僕は演じることが生き甲斐なんだ」
「演技をしていると生きてるって思えるんだ、真っ暗闇な人生に光が差し込んだの」
「カット!!」
「十分間の休憩挟みまーす」
「はい」
そう言われた途端、羽呑はすぐさま俺のところに来た 
そして羽呑はふっと、悪戯っぽく口角を上げ不敵に笑いながら言った
「今の演技、どうだった?純粋な少年感、好きでしょ?」
そう言っている羽呑の声は、やはり打算的なものが含まれている気がした
「まぁね、ていうか、アイドルにならないなんて惜しいな〜、才能あったのに」
「アイドルはやる気ないよ、ファンや事務所に束縛されるしね」
「――僕は僕がやりたいことをやる」
「……羽呑はそうだよね」
羽呑は子役を引退した後、別人になったかのように人が変わった、友達とのいざこざが原因なのだろうか
そのときは、誰かの一言だけで人がこんなにも変わってしまうのだと、深く身に染みた