ミーニングレス

「で?卯優さ、なんでスカウトしたの?」
目の前にいる羽呑が言った

呆れたように、だがほんの少し期待しているようにも見えた
嘲笑うように口角を上げて話す羽呑は何処か暗いオーラを纏っているようにも見えた
笑っているが目は笑っていない
そして吸い込まれるような淡い青の瞳、だけど光はない暗い瞳、だけどその奥には星の欠片のような小さく光るようなもの落ちている。
なんとも不思議な瞳だ、羽呑はオーラが不思議なんだけどね
「あ、羽呑、ほんみょーNGね」
「…」
暗くて重い最悪な雰囲気
「で、なんでなの?」
そして羽呑が声を出した

ハスキーボイスとハイトーンボイスの混ざった中毒性のある羽呑の声は最後にあった二年前よりもすこし、暗くて計算的なものが混ざっていた気がした
「だってー、才能ありそうだし」 
「は?」
「いや絶対才能あるよ、この俺が保証する」

嘘っぽく聞こえるが羽呑には確かに芸能の才能があった
人は本能的に、欠点のない完璧な人間よりも、欠点があり少し闇を抱えたような人に目を奪われる
ツァイガルニク効果というもので何処か欠けた未完成な羽呑を周囲の人間は放って置けないという本能が働き、人を寄せ付ける
芸能人は完璧じゃない方が良い

「でも僕、正直言って女性あんま得意じゃないんだよね〜」
「女性苦手なのに、好きだよ〜とかありがとーとか、嘘ついてまで言いたくないんだけど、、」
真剣に、だけど不満を漏らしながら羽呑は言った