「マナトさん、入られます。」
白い撮影スタジオに、彼が現れた。
ライトを浴びても、肌が透き通るように綺麗だった。
「はじめまして。主人公ツトム役のマナトです。よろしくお願いします。」
「はじめまして。ヒロインのみなみ役の佐藤さえです。よろしくお願いします。」
「じゃあ撮影始めます。」監督の声。
「2人、向かい合って顔近づけようか。」
「はい。」
マナトが一歩、また一歩、距離を詰める。
呼吸が、聞こえる距離。
思わずまばたきが増える。
世界が静まり返って、心臓の鼓動だけが響いた。
「お、いいね。はい、OK。今日の撮影はここまで。」
話しかけようとした瞬間――
「ありがとうございました。では、失礼します。」
そう言って、マナトは振り向きもせずに現場を後にした。
――現場が終わると、男性以外の出演者やスタッフ以外とは一切話さない。
完璧なプロ意識。
私の推しは、スーパープロ意識高めアイドルでした。
白い撮影スタジオに、彼が現れた。
ライトを浴びても、肌が透き通るように綺麗だった。
「はじめまして。主人公ツトム役のマナトです。よろしくお願いします。」
「はじめまして。ヒロインのみなみ役の佐藤さえです。よろしくお願いします。」
「じゃあ撮影始めます。」監督の声。
「2人、向かい合って顔近づけようか。」
「はい。」
マナトが一歩、また一歩、距離を詰める。
呼吸が、聞こえる距離。
思わずまばたきが増える。
世界が静まり返って、心臓の鼓動だけが響いた。
「お、いいね。はい、OK。今日の撮影はここまで。」
話しかけようとした瞬間――
「ありがとうございました。では、失礼します。」
そう言って、マナトは振り向きもせずに現場を後にした。
――現場が終わると、男性以外の出演者やスタッフ以外とは一切話さない。
完璧なプロ意識。
私の推しは、スーパープロ意識高めアイドルでした。



