インスタライブが終わり、廊下を歩いていたときだった。
「さーえちゃん。」
聞き慣れた声に振り向くと、planetのらいとが立っていた。
「うわっ、びっくりした。」
「ハハハ。」
軽く笑うらいと。けれどその目は、まっすぐこちらを見ている。
「……なんですか?」
「ヲタク隠す口実に僕の名前使うの、やめてくれない?」
「え、インライ見てたんですか?」
「当たり前じゃん。メンバーの個人仕事は全部追う主義なんで。」
「さすが、planetの絶対的エースであり広報隊長のらいとさま。」
「その“らいとさま”ってやつやめろよ。」
「す、すみません。」
「まあでも、念願の推しとの共演叶ってよかったじゃん。僕のおかげなんだから感謝してよ。」
「え?どういうことですか?」
「マネージャーに言ったんだ。マナトの相手役はさえちゃんがいいって。プロ意識高いし、絶対に熱愛出ないタイプだって。」
「え、そんなことまで……どうして?」
「だって、僕たちの特典会にデビュー前から来てくれてたじゃん。君。」
「え、それは言わない約束です!あの黒歴史!メガネにおさげ姿の私をマナトくんに言わないでくださいね!絶対に!」
「分かってるって。」
「ほんとに?!」
「でもマナトは手強いよ。ああ見えてガード堅い。デビュー以来、彼女の噂もないし、共演者とも距離を取る。僕と違って、プロ意識高いからね。」
「そうなんだよなぁ……」
胸の奥で、少し寂しさが膨らむ。
――推しって、手の届かないからこそ輝くんだよね。
「さーえちゃん。」
聞き慣れた声に振り向くと、planetのらいとが立っていた。
「うわっ、びっくりした。」
「ハハハ。」
軽く笑うらいと。けれどその目は、まっすぐこちらを見ている。
「……なんですか?」
「ヲタク隠す口実に僕の名前使うの、やめてくれない?」
「え、インライ見てたんですか?」
「当たり前じゃん。メンバーの個人仕事は全部追う主義なんで。」
「さすが、planetの絶対的エースであり広報隊長のらいとさま。」
「その“らいとさま”ってやつやめろよ。」
「す、すみません。」
「まあでも、念願の推しとの共演叶ってよかったじゃん。僕のおかげなんだから感謝してよ。」
「え?どういうことですか?」
「マネージャーに言ったんだ。マナトの相手役はさえちゃんがいいって。プロ意識高いし、絶対に熱愛出ないタイプだって。」
「え、そんなことまで……どうして?」
「だって、僕たちの特典会にデビュー前から来てくれてたじゃん。君。」
「え、それは言わない約束です!あの黒歴史!メガネにおさげ姿の私をマナトくんに言わないでくださいね!絶対に!」
「分かってるって。」
「ほんとに?!」
「でもマナトは手強いよ。ああ見えてガード堅い。デビュー以来、彼女の噂もないし、共演者とも距離を取る。僕と違って、プロ意識高いからね。」
「そうなんだよなぁ……」
胸の奥で、少し寂しさが膨らむ。
――推しって、手の届かないからこそ輝くんだよね。



