「咲蘭お嬢様、お車の準備が整いました」
今何時かしら?あ、7時20分だ!はやく行かなきゃっ
「はーい、今行きます」
てか私、宿題やったかしら?やばい、やってないわ!学校着いたらやらないと

そして私はあまり使っていない綺麗な白色のランドセルを背負って、無駄に広い玄関を出た 
「行ってきます」
「いってらっしゃい」
「「いってらっしゃいませ」」 
お兄様と手の空いてる執事やメイドがずらりと並んで見送ってくれた

お父様とお母様は……やっぱいないわよね、少しでも期待なんてしちゃって、馬鹿みたい

お父様とお母様は忙しいから、私に構ってる暇なんてないことは分かっているけど、やっぱ期待しちゃう

天才子役と言ってもまだ小学三年生の子供、まだお父様やお母様に構ってほしい年頃
お父様とお母様は家にいるのに、小学校に上がってからお父様とお母様に会ったのは一年生の時の入学式、一回、毎年行われる学力調査会、3回、ハリウッド映画のインタビュー、2回で合わせて6回しか会ってない

授業参観や運動会ですら来てくれなかった

“寂しい”

お父様とお母様に会いたい

私はそんなことを思いながら、学校に向かった