お兄様は不登校だ、売れてる子役だからそりゃ行けないだろって思うかもしれないけど、私と違ってお兄様は撮影が一発で決まることが多いから、一日でたくさん撮影が出来る、だから一週間に二回くらいは学校に行けるんだけど、去年友達に声や性格、容姿をキモいって言われたららしく、去年からずっと不登校だ

「行かない、今日は演技の練習に行くよ」
そう答えるお兄様の顔は、いつもより曇っている気がした

言わせてしまった、行かないって、お兄様に、言わせてしまった

お兄様は、本当は学校に行きいのに、行きたくない、行かないって、、言わせてしまった
私自身もあまり聞きたくない、行かないって、分かってるけど、もう一度、あと一回でもいいから、お兄様と一緒に学校に行きたい
そんな私の願望で、お兄様を傷つけてしまう

「そう」
……気まずいわね
多分お兄様も気まずいって思ってるわよね

何か話しかけなきゃっ、面白い話し、面白い話を、、、

「咲蘭お嬢様、羽呑坊ちゃま、朝食の準備が出来たので、食べたい時にお食べに来てください」
気まずい空気を破るように丁度いいタイミングでメイドが来た 
「「はーい」」 
た、助かったー
メイド、ナイスタイミング!
「じゃ、お兄様、一緒に朝食食べに行きましょ」 
「うん、行こう」
「……」