優等生

「あと、咲羅には伝えたかったんだけど、、芸能界を引退する」

もう!?まだ25歳よね、芸能界を引退する歳じゃない

アイドルは24歳で引退宣言して、ファンとか運営が辞めないでって引き止めてたけど、無理やり引退したのよね
それで今は役者をやってるんだけど、それも引退か

「そうなのね、引退するには少し早い気もするけど、自分で決めたならいいんじゃないかしら」

「ま、そうだよね、咲羅ならそう言うと思った」

ファンの方とかミリスタのスタッフとかプロデューサーとかは悲しむだろうけどね
私に止める義理はない

「そういえば、アイドルオーディションってミリスタの研究生が受けるの?」 

このアイドルオーディションの趣旨がどんなのか、によるわよね             

「だいたいね、このアイドルオーディションに受かればアイドルとしてデビュー出来るから」

だいたい、ね              
スカウトとかはいないのかしら?      

「そうなのね、スカウトとかはいないの?」
「例外で一人だけ、咲羅のお兄様、羽呑くんがスカウトで受けるよ」

お兄様が、、アイドル?

「それも、羽呑くんのデビューは決まってる」
デビューが決まってる?じゃあなんでオーディションに
「オーディションの視聴集め、ってところかな」

お兄様を餌にして視聴者を集めるって、心底軽蔑する、反吐がでそうね
ま、小さい頃からこいつがクズってことは分かってたけど

「でもお兄様がアイドル向いてるって限らないわよね、ていうか卯優、あんた羽呑お兄様を最初からこのアイドルオーディションにスカウトする為に子役を進めたの?」
「そんなことはないよ、子役は向いてそうだったから進めただけ」

卯優、黒羽優が口角を上げ、不敵に笑いながら言った
そうは思えないような表情ね